母国で親に捨てられたなどした若年移民に永住権(グリーンカード)を与える「特別移民年少者在留資格」(SIJS)の申請について、突然の政策変更により拒否したのは違法だとして、ニューヨーク州の若年移民5人らがトランプ政権を相手取り起こしていた集団訴訟で、ブルックリン区の連邦地裁は15日夜、原告の主張を認めた。新政策が拠って立つ法的根拠はないとし、このような政策変更は移民局の独断ではなく、議会を経て行われるものだとしている。
訴訟に加わったリーガル・エイド・ソサエティー(LAS)の発表によると、SIJSは母国で親から虐待や育児放棄を受けたり、見捨てられたりした21歳未満の移民に対して永住権を与える制度。2008年に導入され、ニューヨーク州でも家庭裁判所を通して施行されていた。しかしトランプ政権は法改正により政策を変更。昨年2月から、SIJSの年齢制限を18歳未満とした。これ以降、18歳以上21歳未満の移民はこの制度を利用して永住権を申請することができなくなった。政策変更に当たり、事前の通知はなかったという。
訴えでは、新政策はSIJS制度を定めた連邦行政手続法(APA)に違反し、ニューヨーク州法の解釈適用を誤っていると指摘していた。LASは新政策に対し「若年移民が在留資格を申請する機会を不当に奪い、(母国で)精神的トラウマを負った子どもたちに大きな不確実性や不安、危害をもたらした」と批判した。