エリート校、多様化からほど遠く NY市の8校で合格者発表

 ニューヨーク市のエリート8校「スペシャライズド校」の合格者が18日、発表された。多様性政策とは裏腹に、人種の割合は過去数年と比べて大きな変化はみられなかった。各メディアが報じた。
 報道によると、合格者はアジア系が2450人、白人が1368人、ヒスパニック系が316人、黒人が190人。マンハッタン区のスタイべサント高校では、合格した895人のうちアフリカ系は7人で、ヒスパニック系は33人だった。ここ数年で、8校のアフリカ系およびヒスパニック系の合格者の割合は11%に満たない。
 市によると、市の公立高校全体での人種分布は、アジア系が26%、白人が15%、ヒスパニック系が40.5%、アフリカ系が26%を占める。ビル・デブラシオ市長は 人種で得意・不得意が分かれるとして、1回の試験だけで選抜する現行制度の改革を訴えてきた。合格点にわずかに満たなかった貧困家庭の生徒に入学許可を与え、学費を免除するプログラムの拡大も発表している。市長は今年の合格者発表を受け18日、「エリート校の生徒の割合は市の実情を反映していない。複数の方法で選抜するべき」と改めて改革の必要性を強調した。