ブロンクス区のメジャーディーガン高速道路で19日朝、食肉処理場に送られる途中の子牛が逃げ出し、辺りは一時騒然となった。ニューヨークタイムズがニューヨーク市動物保護センター(ACC)から聞いた話によると、ここ10日間で4頭もの動物が市内の路上で保護されており、その数は「異常に多い」という。
19日、「路上に牛がいる」との通報を受け、市警察(NYPD)高速隊が駆け付けた。耳にタグを付けた子牛はパニック状態で路上を逃げ回ったが、警官らが取り囲んで保護。ACCがニュージャージー州の動物保護施設に移送した。子牛はテレビニュースやSNSを通じ一躍有名になり、NYPDは発見場所にちなんで「メジャー・ディーガン」と名付けた。
同紙がACCの広報担当、ケイティー・ハンセンさんに聞いた話によると、昨年1年間に市内の路上で保護された家畜は11頭。しかしここ10日だけで、子羊1頭、ヤギ2頭、子牛1頭を保護する「いまだかつてない事態」となっている。ヤギのうち1頭は、食肉処理場に持ち込まれたが処理場側が受け入れず、路頭に迷っていたという。
同紙はまた「処理場から逃げ出して保護施設送りになった動物を、処理場が引き取ることはまれ」と語る動物保護活動家のアリー・フェルドマン・テイラーさんの話も紹介。世間の批判を恐れ、動物が逃げ出しても放置する傾向にあるという。