ニューヨーク市を拠点とするスタートアップ企業への、ベンチャーキャピタル(VC)による投資が盛んだ。2017年には投資件数は伸び悩んだものの、投資額は大きく伸びて史上初の90億ドル超え。ビジネスの多様性が成長の要因のようだ。市会計監査局が4日発表した報告書により明らかになった。
報告書によると、市を拠点とするスタートアップ企業は17年、約1000件、およそ94億ドル(約1兆502億円)の資金調達に成功していた。08年の17億ドル(約1899億円)からおよそ10年間で、大幅な増加を遂げた。
投資総額は、カリフォルニア州のシリコンバレーおよびサンフランシスコ市に次いで、全米で3番目。ニューヨーク市の17年のVCの資金調達の総額は、150億ドル(約1兆6757億円)を集めた中国の北京と100億ドル(約1兆1171億円)以上を集めた上海の後を追う。市の投資調達における世界的シェアは、08年の4.6%から17年には6%に伸びていた。
会計監査局は、ニューヨーク市のビジネスの多様性が成長の要因と分析。投資先企業は、テクノロジー系が25%を占め継続してトップだったが、広告、金融、不動産開発、ファッション、デジタルメディアの分野も13年から17年の間に最低10億ドルの資金集めに成功している。シリコンバレーに比べてニューヨークでは新たな技術開発への投資は少ないが、新技術を既存の分野に応用するビジネスが盛んだという。