米原子力規制委員会(NRC)は1日、ニューヨーク州ウエストチェスター郡に位置するインディアンポイント原発の耐火処置が基準外であることを明らかにした。同原発のうち2基の原子炉が規定を満たしていないとのこと。
同原発は管制室に接続するケーブルが溶落した場合、稼働に致命的な機器操作を手動で行う代替措置を採用しており、安全を保障できない方策であると判断された。
またNRCは、同原発内にある356カ所の発火危険区域のうち30区域を検証。うち委員会基準を満たしているのは6区域のみだったという。
NRCでは同原発の状況を「即座に安全を脅かすものではない」としながらも、「多くの懸念が残る」とした。
ケーブル溶落の場合、手動作業による代替措置を取っている原発は多数あるものの、同委員会の認証を受けていない代替措置を行っているのは、全国で同原発のみであるとのこと。
ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は、かねてより同原発の存続に反対の姿勢を示しており、稼働免許の有効期限が切れる2015年に同原発を廃炉にする動きを取っている。このほどのNRCによる発表は、クオモ知事の原発廃炉に向けての方針を強化するものと見られている。