ルイジアナ州ニューオーリンズ市を拠点とする米電力大手エンタジーは、ニューヨーク州ウエストチェスター郡で2号機と3号機が稼働中のインディアンポイント原子力発電所を、原子炉用部品の設計および製造を行うホルテックインターナショナル傘下の廃炉会社に売却することで合意した。両社が16日、発表した。両基とも既に閉鎖が決定しているが、売却により廃炉解体作業が予定より早く進みそうだ。
両基はニューヨーク市とウエストチェスター郡の一般世帯、オフィス、公共施設などに供給される約2000メガワットを発電。1号機は1974年に閉鎖されていた。同原発は老朽化に加えボルトの欠陥や火災、漏洩事故など、安全と運転に関するさまざまな問題が発生。周辺住民への影響はもとより市から40キロしか離れていないことも懸念されていた。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は2017年1月、原発の閉鎖計画を発表。2021年4月までに2、3号機を閉鎖することでエンタジーと合意していた。
両社の発表によると、2号機は2020年4月30日までに、3号機は21年4月30日までに閉鎖される予定。売却は2、3号機の閉鎖後に行われる。ホルテック最高経営責任者(CEO)のクリス・シン氏は、「エンタジーが当初立てた廃炉解体計画より数十年早く作業が進む見通し」と述べている。