世界初の大西洋横断と聞くとチャールズ・リンドバーグを思い浮かべる人が多いだろう。しかしリンドバーグが大西洋横断を成し遂げた8年前の1919年5月8日、海軍と沿岸警備隊の6人が、飛行艇NC−4で大西洋を横断していた。出発はクイーンズ区のロッカウェービーチから。この飛行艇が飛び立ってから100年の節目に当たる今月8日、同区ロッカウェーパークのフォートティルデンで、記念式典が開催された。
旧海軍基地があったフォートティルデンのT7ギャラリーでは6月2日までの火、木、土、日曜、特別展示が行われている。8日午前10時、100年前にNC−4が離陸した時間に合わせ、展示が公開された。
リンドバーグは1927年、ザ・スピリット・オブ・セントルイス号でニューヨークからパリまで「無着陸」で大西洋横断に成功した。飛行時間は33時間29分30秒。一方でNC−4はロッカウェービーチを発ってから、機体の修理や燃料補給のために何度も着水を繰り返し、大西洋横断に約3週間かかった。途中、部品の到着や、悪天候の回復を待つために待機することもあったという。
8日付ニューヨークタイムズによるとNC−4の大西洋横断は当時、新聞の一面を飾るニュースとなったが、その後に現れたライト兄弟や女性飛行士アメリア・イアハートの陰に埋もれた。