交通事故死、昨年3割上回る 「ビジョン・ゼロ」開始以来初

 ニューヨーク市で今年、交通事故による死亡者数が、昨年を3割上回るペースで増えている。自転車事故が多発しているようだ。6日付amニューヨークが報じた。
 同紙によると、今年1月から先月28日までに市内で交通事故により死亡したのは65人。50人だった前年同期の30%増で、2日に1人のペースで死亡者が出ている。同紙が市警察(NYPD)のデータとして報じたところによると、自転車に乗っていて事故に遭い死亡したのは昨年1年間で10人。今年は3月中旬までだけで6人に上った。けが人も968人と、前年同期比で9.6%拡大した。
 事故が多発している地域もある。クイーンズ区のロングアイランドシティー、アストリア、ウッドサイドを含むクイーンズ北部では、先月28日までに13人が交通事故で死亡(昨年同期は9人)。ブルックリン区南部でも同日までに14人が死亡(同7人)。死亡者を出した交通事故のおよそ77%に当たる50件が、前方不注意や速度超過などのドライバーの過失が原因だという。
 ビル・デブラシオ市長は道路の改良や取り締まりの強化による交通事故撲滅計画「ビジョン・ゼロ」を2013年に開始。以降、死亡者数は減り続けてきた。昨年は史上最低の202人だった。