ニューヨークポストが入手したニューヨーク州教育局(DOE)の統計によると、ニューヨーク市でいじめ関連の事件が急増している。市の学校で報告された嫌がらせ、差別、いじめの件数は2017から18学年度、過去最多の5875件だった。13から14学年度の1344件から3倍以上に急増。16から17学年度の3660件からは60%拡大していた。同紙が9日、報じた。
同紙によると、学校安全職員連合代表のグレッグ・フロイドさんは件数の増加について、加害者に対する処分が減っていることが原因だと指摘。「他人をいじめても処罰されないことを、いじめっ子は知っている」と同紙に語った。クイーンズ区を代表するリロイ・コムリー州上院議員(民主)は今年初め、同区でいじめがはびこり、加害者の大部分が見過ごされているため、同区から転出する保護者が増えているとDOEに訴えていた。
いじめの種類に変化もみられる。増えているのはネットいじめ(サイバーブリング)だ。ネットいじめの統計を開始した13から14学年度の178件に比べ、昨学年度は約6倍に膨らみ、史上最多の1242件が報告されていた。
昨学年度だけで10件以上のいじめが報告された市の学校は150校以上。最も多かったのは76件のブロンクス区のIS61中学校で、56件の同区のJHS118中学校がこれに続いた。同区では17年、高校生が教室で同級生を刺殺する事件も起きている。DOEは事件以降、800万ドル(約8億7880万円)の追加予算をいじめ撲滅運動に配分していた。