トランプ政権の強硬な移民政策により、米国が受け入れる難民の数が減少したことで、人口減少が顕著なニューヨーク州の一部の市では、難民獲得のためにさまざまな対策を講じている。ニューヨークタイムズが13日、報じた。
同紙によると1950年から2000年の間に、ニューヨーク州バッファロー市では人口が半数に縮小。全米で4番目に深刻な人口減少となった。ウチカ市では約40%、ロチェスターおよびシラキュース市では人口が約30%減った。これまでは、これらのような過疎化した地域の廃家に難民が移り住み、廃業した店舗で商店を営むなどして、町が活性化されていたという。
しかし、トランプ政権発足以降、難民受け入れ数が激減。受け入れ上限も、今会計年度はオバマ前政権の最終会計年度より11万人少ない3万人と、史上最低数が設定された。同紙がニューヨーク州の統計として報じたところによると、州は2016会計年度に5026人の難民を受け入れていたが、昨会計年度は1281人にとどまっていた。
重要な働き手となっている難民の受入れ数減少に懸念を示し、他州に住む難民を誘致しようとニューヨーク州では口コミ効果を狙った対策が講じられている。同紙によると州は職業あっせん、英語教室、住宅サービスなどの広告を、フェイスブックのグループ向けやワッツアップアプリのチャット、難民が発行する新聞に掲載。バッファロー市の難民再定住支援団体は、求人ビデオを作成したという。