タクシー運転手の教習所が活気 業界不振でも志望する理由は?

 業績不振なタクシー業界だが、クイーンズ区にあるタクシー運転手教習所は運転手志望者であふれ、活気に満ちている。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、レポートした。
 教習所があるのは同区ジャマイカのスーパーマーケットの上階。ニューヨーク市タクシーリムジン委員会(TLC)が発行するイエローおよびグリーンキャブの運転免許取得や、ウーバーやリフトの運転手を志望する人のための教習所だ。
 生徒は英語が苦手な移民ばかり。教官のアジ・ゴジアさん(47)は5カ国語を話す。移民の間で口コミで広がり、過去2年で約2万人が受講したという。生徒らは低賃金で働いているため、週60時間労働で最低1200ドル(約13万円)が得られるタクシー運転手は魅力的だそうだ。
 同紙によると市は免許試験受験前に24時間の講習受講を義務付けている。昨年、市はこの24時間講習に新しいカリキュラムと基準を設け、各教習所に認定の再申請を新たに義務付けた。市内に20校以上あった教習所は現在8校まで減り、残った教習所の生徒が増えたという。
 ただし、市全体ではタクシー運転手免許試験の受験者数は減っている。17年の月間約6000人から現在は2200人まで減少した。しかしゴジアさんは心配していない。「私の評判は伝わっている。転職する気はないね」と自信をのぞかせた。