地下鉄のホームや線路、路上にレストラン、住宅の中まで…。ニューヨーク市内のあちこちに生息するネズミ。近年、その数がさらに増えている。全米の他都市でも、ネズミ対策に頭を抱えているそうだ。ニューヨークタイムズが22日、報じた。
非営利監視機関オープン・ザ・ブックス・ドット・コムおよび同紙による市のデータの分析によると、市の行政総合窓口ダイヤル311に寄せられたネズミに関する苦情は、2014年の1万2617件から、昨年は38%増加の1万7353件に上った。市保健精神衛生局が確認したネズミ生息の兆候も、14年の1万6315件から昨年は3万874件に倍増していた。
市で最もネズミの苦情が多いのは、マンハッタン区のアッパーウエストサイド。次いでブルックリン区のプロスペクトハイツ、ベッドフォード=スタイベサントなど。
市では17年以降、ビル・デブラシオ市長が本腰を入れてネズミ駆除を実施。ごみの回収回数を増やし、ネズミの巣にドライアイスを入れて駆除してきた。昨年はネズミの数が一時的に減少したものの今年、再び数が増えているという。
同紙が科学者やネズミ駆除の専門家の話として報じたところによると、ネズミ急増の主な原因は、市の高級化に伴う再開発工事により地面が掘り起こされたこと。また暖冬も、ネズミの生存と繁殖を助けたという。