ことしに入って以来、ガソリンの価格が全国的に急騰しており、特に東海岸においては例年同時期と比較すると過去最高の値上率を記録していることがこのほど、明らかとなった。車の所有者だけでなく、一般の生活にも大きな支障を及ぼすことになりそうだ。
米自動車協会(AAA)によると、20日の全米ガソリン価格の平均は3・56ドルだったが、ニューヨーク市では3・88ドルと全米平均を大きく上回る数値を記録した。
ニュージャージー州でも価格高騰が目立っており、先月の平均価格は1ガロン3・30ドルだったのに対し、今週は3・50ドルに、ニューヨーク市では3・ 70ドルから3・90ドルへと、それぞれ約20セント値上がりしている。通常、ガソリン価格の高騰は夏季に見られるため、この時期としては異例の値上げ幅を記録したことになる。
中西部における石油の供給は増加しているとされるが、AAAニュージャージー・オートモービル・クラブ広報のキャサリン・ルイス氏は「販売者が精油所での製造を控えているため、価格高騰が続いている」と指摘している。
石油・ガス価格動向の分析者であるグレッグ・ラスコスキー氏は、ガソリンの価格が高騰すれば「毎月の車のガソリン代だけでなく、航空燃油費が値上がりするほか、長距離トラックで運ばれる飲食品各種の値段まで跳ね上がる」として、一般の人々の生活にも多大な影響が出てくると分析している。
また同氏は「中東情勢の動向により、春以降さらに価格が高騰する恐れもある」と、今後もさらに一般消費者にとって苦境となる可能性を示唆した。