レントコントロール法「抜本改革を」 賃借人団体ら、家主の抜け穴利用受け

 家賃規制法の有効期限が今月15日に迫っている。同法は数年に1度改正されており、前回の改正は2015年。ニューヨーク市ではこれまで、家主が同法の抜け穴を利用することで、家賃を規制された(レントコントロール)アパートが数千戸失われてきた。今回の改正により、賃借人擁護団体らは抜本的な改革を求めている。カーブドニューヨークが5日、報じた。
 現行の同法下では、レントコントロールであっても家賃が1カ月当たり2733ドル(約29万6000円)に達した場合、次の賃借人から市場相場の家賃で賃貸できるようになる「家賃規制撤廃規定」がある。別の規定では、集合住宅の主要部分の改築や部屋の改修、改良工事を行った場合は、家賃を引き上げても良いと定めている。これらを悪用し、不必要な改修工事を施し家賃を引き上げ、さらには賃借人を嫌がらせにより追い出し、家賃規制を撤廃する家主もいた。今回の改正で、賃借人側は両規定の撤廃を訴えている。
 他にも、住宅が空室となった場合、次に入居する賃借人の家賃を20%上げられる「空室ボーナス」などの廃止も目指している。
 家主らはこれらの規定廃止案について「空室率が上がるだけ」と反対している。