ブルックリン区ウイリアムズバーグの歴史ある教会が、イタリア系米国人の伝統的な祭りで担ぐみこしの担ぎ手を外部から募っている。地域住民や教区民以外から担ぎ手を探すのは116年の歴史で初めて。ウォール・ストリート・ジャーナルが10日、報じた。
ウィリアムズバーグのアワー・レディー・オブ・マウント・カーメル教会は1903年以来毎年7月、教会に通う地元住民が「ジリオ」と呼ばれる縦長の塔の形をしたみこしを担ぐ祭りを行ってきた。祭りは10日間にわたり、4トンのみこしを3基担ぐ。
同紙によると、以前はジリオの担ぎ手は地域住民や教区民に限定し、他地域に住むボランティアからの申し出を断っていた。しかし、過去20年間におよぶ地域の高級化に伴い外部からの移住者が増えた上、昔からの住民の高齢化によりイタリア系コミュニティーが縮小。10年前には400人いた担ぎ手の数が300人まで減っていた。
祭りの主催者らは家族や友人に担ぎ手になれないか頼む他、ニューヨーク市清掃局のイタリア系米国人友好団体コロンビアソサエティーに出向いて応募を募り、市の警官や消防隊員らが多く通うクイーンズ区リッジウッドのスポーツジムで勧誘活動を行っているという。
ジリオは5世紀に存在した聖パオリーナ神父を称えるための祭り。