ニューヨーク州の家賃規制(レントコントロール)法の有効期限が15日で満了するのを前に、州議会上下院は14日、賃借人保護を強化し抜本的に改正した新たな法案を可決する見通し。ウォール・ストリート・ジャーナルが12日、報じた。新法案に期限はなく、成立すれば恒久的な規制となる。クオモ知事は12日、同法案に署名する意向を示している。
現行の家賃規制法では、レントコントロールのアパートであっても、家賃が一定の基準を超えた場合、家賃規制法の対象から除外される。新法案ではこれを廃止。また、これまではアパートで主要な改修工事を行った場合、家主は家賃を6%引き上げることができたが、新たな法案ではこれが2%以下となる。家賃を法規制された住宅の減少と家賃の高騰を阻止するのが狙いだ。
現在、レントコントロールのアパートはニューヨーク市内に約100万戸。州内の物件は、ほぼ全て市内にあり、ウエストチェスター郡とロングアイランドにも点在する。しかし新たな法案では、それ以外の自治体でも独自の規定を定めることを認める。
同紙によると、新法案についてクオモ知事は12日、「議会が可決し得る最高の賃借人保護法案だと思う。私はこれに署名する」と発言していた。
一方で、不動産取引業界は「高騰する経費を賄うための家賃値上げができなくなった小規模家主が廃業に追い込まれるのでは」と批判している。