警官500人、監視カメラも クオモ知事の無賃乗車撲滅策

 ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は17日、マンハッタン区で行われた記者会見で、地下鉄やバスの無賃乗車を撲滅する3つの対策を発表した。知事が発表した対策は次の通り。
 ①今月17日から無賃乗車と暴行事件の発生率が高い、バス50路線および地下鉄の50駅にニューヨーク市警察(NYPD)の警官200人とMTA警官300人、合計500人を覆面で配置する。セレクトバスを中心に無賃乗車を摘発するMTAの「イーグルチーム」70人も協力する。無賃乗車を発見した場合は、逮捕はせずに召喚状を発行する。召喚状発行に伴う罰金の支払いを怠ると、運転免許証の取得や車両登録の際に記録が表示され、支払いを済ませない限りこれらの証明書が取得できないシステムを導入する。召喚状は駐車違反時に発行されるものに近い形態となる。②運賃を支払わなくても容易に駅構内に入ることができる出口を再設計し、無賃での立ち入りを防止する。③監視カメラを設置する。
 知事は、監視カメラが無賃乗車を捉えた場合、警報が鳴るように設定することも提案した。また、無賃乗車とMTA職員への暴行は密接に関係すると主張、無賃乗車を防止することで、暴行事件の抑止も図れるとの見方を示した。
 MTAによると、地下鉄およびバスの無賃乗車により、年間2億4000万ドル(約258億円)の損失が出ているという。

無賃乗車の撲滅対策を発表するクオモ知事(中央)
(Kevin P. Coughlin/Office of Governor
Andrew M. Cuomo)