フォーク界大御所の出演を中止 NY州北部の芸術祭、わいせつ事件理由

 1960年代にベトナム反戦歌を次々とヒットさせた、「ピーター・ポール&マリー」の一員で、フォーク歌手の巨匠、ピーター・ヤロウさん(81)が2日、9月にニューヨーク州ノーウィッチ市で開催される芸術祭「カラースケープ・チェナンゴ・アーツ・フェスティバル」への出演を取り消された。ヤロウさんが40年前に起こしたわいせつ事件に、地元住民の一部が懸念を示したのが原因。同祭がフェイスブック(FB)で発表した。
 ヤロウさんは、ジョン・ケリー元国務長官の結婚式やビル・クリントン元大統領の就任式で歌を披露。数々の賞を受賞した他、近年では「ウォール街を占拠せよ」の集会でギターを演奏するなど輝かしい経歴を持つ。
 一方で69年、ヤロウさんのサインをもらおうと滞在中のホテルの部屋を訪れた14歳と17歳の少女2人に全裸で対応。翌年、未成年への強制わいせつの罪で禁錮3月の有罪判決を受けていた。
 ヤロウさんの出演取り消しについては、「妥当」とする意見がある反面、「いき過ぎ」という見方もある。取り消しの発表に対して、FBでは「ばかげた決断」「社会に対する彼の貢献は過去の過失をはるかに上回っている」などのコメントが見られた。
 ヤロウさんはニューヨークタイムズに宛てた電子メールで「同祭の決定が不当とは思わない」と述べている。