米国を代表する舞踊団、アルビン・エイリー・アメリカン・ダンス・シアターで50年近く活動してきた福岡県出身の副芸術監督、茶屋正純さん(72)が来年1月5日に引退する。同舞踊団が今月9日、発表した。
茶屋さんは1972年に同舞踊団に入団。創立者のアルビン・エイリーの下でダンサーとして活躍した後、91年からは副芸術監督として、エイリーのレパートリーを次世代に伝えるなど後進の指導に心血を注いだ。
2011年から同舞踊団の芸術監督を務めるロバート・バトルさんは、茶屋さんについて声明で「エイリーのビジョンと芸術的遺産を受け継ぎ、それを伝えてきた。われわれの道を照らす『灯台』のような存在」とたたえた。
バトルさんがニューヨークタイムズに語ったところによると、茶屋さんは11年、3年後の引退を希望していたという。ここ数年は「先のことを考えたい」と言う茶屋さんに対し「お茶を濁してきた」というが、「とうとう来るべき時が来た」と惜しんだ。
後任には、元ダンサーで現リハーサル監督のマシュー・ラッシングさんが就任する。茶屋さんも「私の仕事を引き継いでもらえる人材」と太鼓判を押している。茶屋さんは引退後、同舞踊団の上演ライセンス契約の仕事に関わるという。
マンハッタン区シティセンターで12月22日、茶屋さんの功績をたたえる特別プログラムの上演が予定されている。