犬や猫などに触れることで人のストレスを軽減させるアニマルセラピー。牛を使ったセラピーを提供する牧場がニューヨーク州北部フィンガーレイクス地方にある。ニューヨークタイムズが12日、レポートした。
この牧場は33エーカー(約13万3500平方メートル)の土地を擁するリゾート施設、マウンテンホース牧場。「セラピー牛」として任務に就いているのはアンザス交雑種の雌牛、ベラ(3)とボニー(2)だ。
「とても静かでしょう」と目を細めるのはスザンヌ・ベレスルさん(51)。夫のルディーさん(51)とこの牧場を経営し、「牛セラピー」を提供している。牛は草原に寝そべることが多いため、ブラシをかけたり、寄り添ったり、抱きしめることができる。触れ合うことで人間と牛の間に互いを受け入れる気持ちが生まれ、癒されるのだという。
ベレスルさん夫妻はオランダ郊外の町ルーヴェからの移民。2年前に里帰りした際、オランダで盛んな田舎暮らし体験「カウハグ(牛との抱擁)」から着想を得た。2人は昨年5月、おとなしく角のないベラとボニーを購入し、「牛セラピー」の提供を始めたという。
料金は1時間75ドル。ベレスルさんが立ち会い、ベラたちの「気分」を観察し、安全を保つ。ベレスルさんは「リラックスすればするほどセラピー効果が上がる」と話している。