ニューヨーク市内の地下鉄はユニークな広告の宝庫だ。一見、何の広告か分からなくても見入ってしまい、宣伝している企業や製品を覚えることも。これらの広告主の多くはスタートアップ企業だ。独自の広告を展開し、奇抜さを競っている。ウォール・ストリート・ジャーナルが7月30日、レポートした。
ビジネス向けにチーム管理のプラットフォームを提供する「マンデー・ドット・コム」は昨年10月、マンハッタン区ユニオンスクエア駅とブライアントパーク駅の改札や柱などの広告スペース全てにキャッチコピー「マンデー・ドット・コムとは何か?」を貼った。今年は地下鉄車両570台の半分のスペースを確保して広告を展開している。
ニューヨーク都市交通局(MTA)によると、過去2年間に地下鉄広告を出したスタートアップ企業は200社以上。その発端はマットレス販売の「キャスパー」だ。知る人の少ない零細企業だった同社は、2015年1月、市内の全ての地下鉄車両の半分に複数枚の広告を掲示し、一連の物語を展開させた。同社マーケティング部門の責任者、ジェフ・ブルックス氏は、これがきっかけで、他の企業もユニークでインタラクティブな広告を出し始めたと話す。キャスパーは現在、絵文字のパズルに「答えは睡眠だ」とのコピーを添えて宣伝している。
同紙によると地下鉄車両内の1000カ所に4週間広告を出すと約6万ドル(約650万円)かかる。安くはないが、平日は1日600万人が利用する地下鉄。効果は上々との評判だ。