ブロンクス区の沖合に浮かぶ全米最大級の共同墓地島、ハート島の復旧工事が、来月から始まる。ウォール・ストリート・ジャーナルが3日、報じた。2012年に米東部を襲ったハリケーン「サンディ」により海岸線が侵食され、復旧を求める声が高まっていた。
記事によると、サンディが上陸した際に8フィート(約2.4メートル)の大波が直撃し島は大きな被害を受けた。海岸線が削り取られ、人骨が露出している箇所もある。復旧は2020年からの予定だったが、非営利団体「ハート島プロジェクト」の責任者、メリンダ・ハントさんは昨年、その模様を写真に収めニューヨーク市議会に提出。予定の前倒しを訴えていた。
復旧工事は、15年に連邦緊急事態管理局から受けた1320万ドル(約14億円)の補助金を活用し2年をかける。人骨は掘り起こされた後、法人類学者が検査。工事の終了後、改めて埋葬される予定だ。
コリー・ジョンソン市議会議長は同紙に「尊厳の問題。死者をこのように扱うことは許されない」と指摘。ジョンソン氏は今年5月、同島を公園として、管理を市公園局に移管させる条例案への支持を表明している。
同島は市が1869年に購入して以来、約100万人の死者が眠る。現在も低所得者や身元不明者が毎年1200人埋葬される。その作業は週4日、ライカーズ島の受刑囚らが行っている。