マンハッタン区42丁目のポート・オーソリティー(PA)・バス・ターミナルの2階にある公衆トイレでは、女性が並んで化粧をしている。その多くが常連だ。この場所の秘密を、ニューヨークタイムズが22日、探った。
同紙によると、このトイレは午前5時30分から深夜1時までオープン。照明は明るく、鏡の前には口紅を塗ったり、髪をといたりする女性が鈴なりだ。毎日数百人が、化粧のためだけにこのトイレに立ち寄るという。
トイレの清掃を担当するのはニュージャージー州の清掃会社、TUCS。清掃員のペニニスラー・ライスさん(53)は「私は、ビューティーバーって呼んでるの」。黒い花崗岩の洗面台にこぼれた白粉を雑巾できれいに拭き取った。
別の清掃員いわく「VIPのもてなしを提供しているのよ」。こうした評判もあり、2階のトイレは最も利用客が多く、満足度も81%と高い。
同州パシパニーから通う弁護士、シンディー・ヤングさん(30)は、生い立ちも年齢も異なる女性が「次の目的に向け準備するために集う。ここでは皆、平等」と話す。「まるで人生の縮図。一歩外に出れば、全く別の世界が広がっている」