地下鉄1番線の名物車掌 微笑み絶やさず、乗客の心も和む

 老朽化による度重なる故障や遅延、混雑する駅構内など、ストレスの多い地下鉄通勤。しかしこんな車掌の列車に乗り合わせたら、イライラも少しは晴れるかもしれない。ゴッサミストは21日、地下鉄1番線勤務の名物車掌、ケネス・バートンさん(65)についてレポートした。
「場所を空けましょう。ベビーカーがこのシュッシュポッポに乗れるように」。バートンさんが車内放送で注意を呼び掛けると、乗客も思わずにっこり。地下鉄がアッパーウエストサイドの駅に入り、ベビーカーに乗った幼児を見かけると、ポケットに「常備した」あめをすかさず取り出し与えた。125丁目で地下鉄がトンネルを出て高架に差し掛かると、外は土砂降り。「傘を用意しましょう。おや、雷の音まで聞こえるね」
バートンさんは生まれも育ちもハーレム、生粋のニューヨーカーだ。5年前にニューヨーク州都市交通局(MTA)の車掌になった。3年前に自動アナウンスがない1番線担当となってから自分の色を出すように。
 いつもニコニコしていたから家族や友人から「ハッピー」のあだ名で呼ばれるバートンさん。制服のベストの中には、3年前に乗客からもらった紙切れが入っている。そこには「微笑みを絶やさずにいてね」と書かれていた。

バートンさん。ユーチューブのチャンネル「Gothamist」の
スクリーンショットより