男女の賃金格差を是正しようと、ニューヨーク市で来月から、女性を対象に給与値上げ交渉術を教授する無料のワークショップが開催される。ブルームバーグが20日、報じた。
記事によるとワークショップは各2時間で、会場は市内の図書館など。9月24日から12月12日までの10回を予定しているが、オンラインによる受講は既に始まっている。来年にはより多くのワークショップを予定。市は合計で1万人の受講を目標としている。
ワークショップは市経済開発公社と女性啓発団体アメリカン・アソシエーション・オブ・ユニバーシティ・ウィメン(AAUW)が共同で出資および運営。AAUWの調査によると市では2016年、正社員として働く女性の年間所得の中央値は、男性の88%だった。全米平均は、20年間にわたり80%とさらに低い。一方で、ワシントンDCとカリフォルニア州では、性別による賃金格差がほとんどないという。
AAUWの代表キム・チャーチズ氏はブルームバーグに「女性に給料の値上げを交渉する方法を教授することは、性別による賃金格差を意識的になくしていくための効率的な方法だ」と述べた。
コンサルティング大手マッキンゼーなどによる16年の研究によると、上司に昇給や昇進を要求した女性は、要求を行わなかった女性と全ての男性に比べ、「威圧的」「攻撃的」「偉そう」などの悪評価を受けた人が67%多かった。