電子たばこ吸引による肺疾患が増えていることを受け、前ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏は10日、ニューヨークタイムズのオピニオン面で、風味(フレーバー)付き電子たばこの販売禁止に向けて1億6000万ドル(約173億円)を出資すると発表した。全米の少なくとも20の州と市での販売禁止を目指す。
ブルームバーグ氏は反たばこ団体「たばこから子どもを守るキャンペーン(タバコ・フリー・キッズ)」代表のマット・マイヤーズ氏と共に、「たばこ企業は戦略として、子どもを標的にし、重大な危険にさらしている」と主張。米食品医薬品局(FDA)は対策を先延ばしにしてきたと批判した。
同紙によると米国では今月に入り、電子たばこが原因で肺疾患が数百件、6人が死亡したと報告されており、各地で規制を求める声が高まっていた。米国立衛生研究所(NIH)が昨年12月、日本の高校3年生に当たる12年生を対象に行った調査によると、過去1年間に電子たばこを吸った人は全体の37%で、前年の27%から急増していた。