NY市民の所得格差、縮まらず 13年以降わずかに悪化

 2014年の就任以降、ニューヨーク市民の所得格差をなくすことを公約に掲げていたデブラシオ市長。しかし、就任後も所得の不均衡は改善されておらず、わずかに広がっていることが分かった。保守系シンクタンク「マンハッタン・インスティテュート」が11日、報告書を発表した。
 報告書は、米国勢調査の結果から、所得格差を表す指標「ジニ係数」を割り出し分析したもの。ジニ係数の範囲は0から1までで、0は所得が完全に均等に分配され格差が全くない状態を表し、1に近いほど格差が大きくなる。市の13年のジニ係数は0.547で、16年には0.551だったが、17年には0.5504でわずかに悪化していた。また、市の最も裕福なグループと最も貧しいグループの所得の格差は、2014年から基本的に変わりなかった。
 市長の広報担当官はウォール・ストリート・ジャーナルの取材に、同報告書および所得不均衡の測定方法は、市長就任以降の改善の全体像を示していないと反論。「デブラシオ市政では最も弱い立場にある市民の生活を改善してきた。25年までに80万人を貧困から救う」と強調した。
 来年の大統領選民主党候補として名乗りを挙げているデブラシオ氏は、ここでも格差縮小を掲げ、富裕層への増税などを政策に挙げている。