母親が娘に虐待、父親が親権失う 未婚の父親に厳しいNY州法

 娘の母親と婚姻関係にない父親が、母親による娘への虐待により、娘の親権を失った。ニューヨーク州法の下では、未婚の父親が子どもの親権を争うとき、自分が父親であることを証明する必要があるからだ。父親は親権の回復を求めて控訴、審議がまもなく始まる。ニューヨークタイムズが25日、報じた。
 マンハッタン区のレストランで働く中国からの移民、ピン・Nさんの娘アマンダちゃん(11)は5歳だった2013年、母親から虐待を受け福祉施設に保護された。同区の家庭裁判所は昨年、アマンダちゃん誕生時にNさんが母親と婚姻関係になかったことと、Nさんがアマンダちゃんを保護している児童福祉施設に養育費を払っていないことを理由に、Nさんの親権を取り上げた。
 ニューヨーク州を含む全米12州では、母親による子どもへの虐待や育児放棄があった場合、母親と婚姻関係にない子どもの父親は、自分が父親であることを証明しなければ、子どもが養子に出されても発言権がないと州法で定められている。
 ほとんどの州では、保護施設への養育費の支払いが父親であることの証明とみなされる。同紙によると、養育費を支払わず母親と婚姻関係にもない父親が子どもの速やかな養子縁組を妨げるのを防ぐことが目的だという。
 Nさんは今年2月、アマンダちゃんに洋服や玩具、金銭を与え財政支援を行ってきたと主張し控訴。養育費の支払いのことは知らず、請求書を受けたこともないと述べている。