マンハッタン区の歴史保存地区にある木造建築の所有者が、文化伝承の目的で自宅を先住民族に寄贈すると約束しながら反故にしたとして、騒動となっている。ニューヨークポストが2日、報じた。
先住民族の保護活動家ルイス・ゴールドウォーター・ブルジョワさん(76)は2016年12月、同区ウエストビレッジのウィホーケン通りに建つ自宅をニュージャージー州に住む先住民族レナペ族の一派、ラマポ族の元酋長アンソニー・バン・ダンクさん(54)に譲ると約束した。
ブルジョワさんは、本来、先住民族の土地だったマンハッタン区を白人が「略奪した」と語り、同紙に自宅内部を紹介した。その様子は当時、大々的に報じられた。
ところがその後、ブルジョワさんは、「この家と自分は結婚しているも同然」と約束を破棄。法的効力がない「口約束」にダンクさんは「寄贈の発表は宣伝目的だった」と怒りをあらわにしている。
ブルジョワさんは、1834年建造の同建物を2006年に220万ドル(約2億4千万円)で購入。現在は500万ドル(約5億4千5百万円)の価値があるという。ブルジョワさんは、フェミニズム運動活動家のグロリア・スタイネムさん(1934〜)を記念する大学を建設すると発表したが、スタイネムさんからは断られたという。ブルジョワさんは同紙に、「先住民族に寄贈する考えは捨てていない」と弁解している。