米税関国境警備隊に意図的に逮捕・拘束されるなどして、不法移民の支援活動を精力的に続けてきた米国育ちの活動家が7日、亡命を求めて、ニューヨーク市の移民裁判所に出廷する。WNYCが6日、報じた。
メキシコ南部オアハカ州で生まれたマルコ・サベドラさん(29)は、3歳のころ、家族に連れられ米国に不法入国、ニューヨーク市で育った。留学生として奨学金を受けたオハイオ州の大学に在学中、オバマ政権が進めていたドリーム法の可決を求め、抗議活動を開始した。
サベドラさんは2012年、全米移民青年同盟の活動家と共に親戚を探しているように見せかけてフロリダ州ブロワードにある米税関国境警備隊の施設に潜入。在留資格がないことを認めて意図的に拘束される計画を立てた。拘束された活動家らは施設内で多くの不法移民を弁護士に紹介。この「作戦」で、サベドラさんは不法移民約50人を釈放させたという。
サベドラさんの素性を知った米税関国境警備隊はサベドラさんを釈放したが、連邦政府の監視下に置き強制退去手続きを進めた。サベドラさんら3人の活動家は13年、自主的にメキシコに退去。同志6人を得て支援グループ「ドリームナイン」を結成。数日後、再び国境を越えアリゾナ州の施設に拘束された。同年の釈放後、サベドラさんの家族が経営するブロンクス区の移民活動家などが集うレストランで働きながら、亡命申請を進めていた。
サベドラさんは、麻薬関連の組織犯罪が横行していることと、政治活動が弾圧されていることから、メキシコに戻るのは危険として「亡命の資格がある」と主張している。