犯罪率減っても街の雰囲気悪化? 軽犯罪に寛容な市長非難する声も

 ニューヨーク市の犯罪全体の発生率はここ数十年で最低水準を記録。一方で、発砲事件が増え、以前よりも治安が悪化したように感じるとの声も上がっている。ニューヨークの街の雰囲気がどう変わってきているのか、ニューヨークポストが1日、レポートした。
 
 娯楽用大麻の合法化がニューヨーク州議会で審議され、少量所持の罰則が緩んだことで、市内では公共の場で平然と大麻を吸う人を目にすることが増えた。地下鉄内で寝泊りするホームレスや、暴力的にふるまう人、路上で立小便をする者に出くわすことも日常茶飯だ。今年3月、市内では、5人に1人が無賃で乗車しているとの州都市交通局(MTA)のデータも発表された。ブルックリン区では先週、地元の高校生グループが通行人を脅し、子どもに大麻の煙を吹きかけるなどして、近隣住民に嫌がらせをする事件も発生している。
 
 来年の1月からは、保釈金を支払えないとの理由で勾留されている被告らを保釈する保釈制度改革が施行される。それに先立ち年末には、900人が保釈されるという。増加傾向の発砲事件の多くは、改革制度の対象となる軽犯罪に関連しているといい、銃犯罪の取り締まりに懸念を示す警察関係者も多い。
 同紙は、2014年に就任したデブラシオ市長が、軽犯罪に寛容であることから、市内の雰囲気が変わってきたのではないかと指摘している。

Martin Alonso