ローマ法王庁は4日、カトリック教会の性的虐待事件を巡る虚偽報告の疑いが浮上していた、ニューヨーク州北部バッファロー市のリチャード・J・マローン司祭(73)の辞任を認めたと発表した。ニューヨークタイムズが同日、報じた。
同司祭は2018年3月、数十年にわたり子どもに性的虐待を行っていた疑いのある同教区の聖職者42人のリストを公表。しかし、同司祭の事務所に勤めていた女性が、リストの下書きに実際には117人の名前があったことを、証拠のコピーと共に地元ニュース局WKBWに漏えい。
この疑惑を受け、同教区では信者離れが続出、寄付も減少した。
バッファローニュースが今年9月に実施した世論調査では、地元のカトリック教徒の86%が、同司祭の辞任を望んでいることが判明。一方で、同司祭は辞任を拒否。ローマ法王庁は10月、ブルックリン教区のニコラス・ディマジオ司祭に、バッファロー教区での捜査を命じていた。
法王庁は、マローン司祭の辞任理由について明らかにしておらず、辞任が強制によるものか任意によるものかも不明。マローン司祭は自身の辞任について、任意の「早期退職」であるとする声明文を発表している。
辞任は、ただちに発効し、オールバニ市のエドワード・B・シャーフェンバーガー司祭が、一時的に同教区の管理者を務めるという。