マンハッタンの家賃急騰 過去最高の水準に
2012年第1四半期におけるニューヨーク市の平均賃貸料が景気後退前より高く、前年同比6・5%増だったことがこのほど、住居用不動産大手のシティ・ハビタッツの調べにより明らかとなった。
報告書によると、マンハッタン区のことし3月の平均家賃は3418ドルで、2007年5月に記録した3394ドルを大幅に上回り、同社が調査を開始した02年以来、最高水準に達しているという。
シティ・ハビタッツ代表取締役のゲイリー・マリン氏によると、「不況前の家賃高騰は好景気と比例していたが、昨今の価格設定はすべて収入減を補うための大家の意向だけ」と指摘。ニューヨーク市民も物件購入には慎重になっており、月々の支払いが高くても賃貸を好む傾向にあるという。
米不動産会社プルデンシャル・ダグラス・エリーマンが発表した調査によると、12年第1四半期に最も人気だった物件はスタジオタイプだった。平均家賃は2497ドルで、昨年同期と比較して10%も上昇した。
さらに、マンハッタン区全体の賃貸価格については、住宅ローンの低迷、地域経済の悪化などが要因となり、前年同比6%増となっている。
シティ・ハビタッツのブローカーによると、人気エリアの格安物件などは競争率が高く早い者勝ちとなるため、オンラインの物件紹介に掲載された写真と説明だけを見て入居を決める人も少なくないのだという。
価格高騰が目立つ市の賃貸物件だが、レンタル・インデックスによると、一部の人気エリアの価格相場は低減しているという。
マンハッタン区屈指の高級住宅街であるセントラルパーク南の現在の平均価格は7069ドルで、昨年同比26%減となっているほか、日系の飲食店が豊富なイーストビレッジは8%減の3859ドル、グラマシーでは29%減の3846ドルとなっている。