食品廃棄物をなくし、環境への負担をゼロにする試みが全米各都市の飲食店で始まっている。そのうちの1つ、ブルックリン区フォートグリーンのワインバー&レストラン「ロドラ」での取り組みをニューヨークタイムズが1日、報じた。
残飯は産業用生ゴミ処理機(コンポスター)で堆肥にする。発酵温度が上がる肉類はメニューにはない。品書きもプラスチックではなく紙を使う。食品を保存する際には蜜ろう製のラップを使う。仕入先はプラスチック製品を使わない業者に変更し、ワインのボトルとコルクはリサイクルに回すという。トイレに捨てられる生理用品も特別なリサイクル業者に処理してもらう徹底ぶりだ。「(環境保護への)われわれの試みが、何らかの影響や刺激になれば」と共同オーナーのヘンリー・リッチさん。店の「グリーン化」に10カ月の月日と5万ドルの費用をかけたそうだ。
米国内の飲食店は年間1140万トン、コストにして251億ドル(約2兆7200億ドル)分の食品廃棄物を出すという。2015年の米環境保護庁(EPA)の報告によると、食品とそれに伴う包装物の廃棄物が埋立地のごみの約45%を占める。飲食店は食品廃棄物の削減に1ドル投資するごとに平均7ドルの費用節約につながるとのデータもある。
一方で、「儲かっているなら、現状維持で」と懐疑的な見方も根強いという。