NY市のエレベーター 事故の大半は人災
ニューヨーク市建設局(DOB)はこのほど、ニューヨーク市内で発生したエレベーター事故の大半が、人災によるものであると断言した。
多発するエレベーター事故を受け、安全規定の厳格化について話し合う公聴会で、DOBのロバート・リマンドリ局長は、2003年以降に市で発生した事故件数は19件に上り、その大半が修理直後に発生するなど、不十分なメンテナンスが引き起こした人災だったと指摘。市議らに、エレベーター修理工の免許義務付けに関する規程の必要性を訴えた。
ブロンクス区選出の市議ジェームス・ヴァッカ氏も、配管工や電気技師に資格が必要であるように、エレベーターの修理工にも、市が行う統一試験に合格した資格保持者のみをあてるべきと主張した。
ヴァッカ氏によると、全米で約6万基と言われるエレベーターのうち、10%はニューヨークに集中しており、関連事故の件数も全米平均の14〜16倍に上るという。
ロサンゼルスやデトロイトなどの大都市を含む全米36州では、エレベーター修理工の免許保持が義務付けられているが、ニューヨーク州では現時点でそのような制度は設けられていない。