固定観念覆すファッションの力 FIT美術館で「パワーモード」展 

 ニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)美術館で展覧会「パワーモード〜ファッションの力」が開催されている。表層的と見られがちなファッションの固定観念を覆し、「あなたの服は誰に対してパワーがあるのか、誰からパワーを受けているのか」を問いかける展示となっている。
 パワーモードとは、服飾研究家ジョン・T・モロイさんが1975年に出版した著書「ドレス・フォー・サクセス(成功のための装い)」で提唱したグレーのビジネススーツのこと。ところが、会場で最初に目にするのは、ストリート・ラグジュアリー・ブランド、オフホワイトの黒いコットン製フーディーだ。
 同美術館の学芸員、エマ・マックレンドンさんはニューヨーク誌の取材に、「パワーは相対的なもの。多様な時代に多様な様式で表現される」と説明。「軍隊」「スーツ」「ステータス」「セックス」「レジスタンス」の5つに分類し、サフラジェットと呼ばれた女性参政権運動家たちが着用したドレス、60年代のイブ・サンローランなど、歴史順に展示している。宝石を散りばめた17世紀の靴のバックルとグッチのローファーを並べて見せるなど展示にも趣向が凝らされている。ミュグレー、ディオール、バーバリーのビンテージやレディー・ガガが着て有名になったマーク・ジェイコブスの「だぶだぶスーツ」もある。
 5月9日まで、入場無料。

FIT美術館の公式ツイッター(@museumatFIT)より

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