服飾業界の関係者や手芸愛好家から「他にはない希少なボタンを探すならここ」「どんなボタンもある」と愛された、マンハッタン区アッパーイーストサイドのボタン店、テンダーボタンズが惜しまれつつ閉店したのは昨年夏。残ったボタンについてウォール・ストリート・ジャーナルが15日、報じた。
元店主のミリセント・サフロさんによると、ボタンはニューヨーク市文化局が後援する非営利団体マテリアルズ・フォー・ジ・アーツ(MFTA)に寄付したという。同団体は不用品の寄付を募り、集まった不用品を市内の学校や団体などに配布し、アート作品を作る材料として再利用してもらうことを目的に活動している。
サフロさんが寄付したボタンの多くは、1930年代から40年代に作られたもの。凝ったデザインのボタンはモザイク画から服飾品まで利用範囲が広い。非営利団体クリエイト4ピースの創設者ビビアナ・プエロさんは、制作中だという海洋環境保護をテーマにしたインスタレーションに寄付されたボタンを使っている。「貝殻を表現するのに完璧と直感した」とプエロさん。
MFTAの副代表、タラ・サンソーンさんも「芸術家は良質なものを見抜く目がある」と感心することしきりだ。
サフロさんは、テンダーボタンズをいつか再開する予定だという。