「得るものは2倍」 古参企業の移転相次ぐブルックリン

 古参企業のブルックリン区移転が相次いでいる。29日付ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
 婦人服メーカーの「ラファイエット148」は1996年、マンハッタン区ソーホーで創業。創業当時の所在地を社名にしているが1年半前、ブルックリン・ネービー・ヤード(BNY)に移転した。家賃はソーホーの3分の1。市の移転・雇用援助プログラムによる税控除も従業員1人当たり年間3000ドルに上った。節約した経費でマジソン街とロングアイランドのマンハセットに直営店も開いた。「ソーホーというブランドは失ったが、得るものは2倍あった」とCEOのディアドレ・クインさん。デジタル広告代理店「ザラブ」もハドソンヤードからダンボへ。映画や放送用機器を販売して15年の「アベルシネ」はウエストビレッジからインダストリーシティへ移転。
 超党派のシンクタンク都市未来センターによると、ブルックリン区の建築、デザイン、映画、広告分野の雇用は2007年から17年の間に155%増加し8868人に。BNY開発公社のCEOデビッド・エーレンバーグさんは、「面接でグラセンに近いかより地下鉄G線に近いかを聞かれる時代」と胸を張った。