ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長およびコリー・ジョンソン市議会議長から権限を与えられた委員会は、不平等な市の固定資産税の算出方法の全面的な見直しを計画している。ニューヨークタイムズが1月30日、報じた。
同紙によると、「時代遅れ」な算出方法を採用していることにより、市では約25年にわたり、高級住宅を所有する富裕層が労働階級の住宅所有者よりも少ない固定資産税を払う状態が続いている。
既存の算出方法では、市場価格800万ドル(約8億6958万円)のブルックリン区パークスロープのプロスペクトパークに面した5ベッドルームのブラウンストーンの評価額は非常に低くなる。固定資産税は市場価格200万ドル(約2億1736万円)のブロンクス区フィールドストンの住宅と同じ約2万ドル(約217万円)だ。
1月30日に市のウェブサイト上で公開された予備報告書によると、委員会は、集合住宅やコンドミニアムなどを含むほとんどの住宅を、全米の他の市や郡のように「完全な市場価格」で評価することを提案。税負担を富裕層の居住地域に移し、低・中所得の住宅所有者に対する税金を軽減する意向だ。
見直し案の成立には市議会と市長および州議会と知事の承認が必要。成立すれば、市の住宅所有者全体の90%に影響を及ぼすことになる。
委員会のメンバーで弁護士のアレン・P・カッペリさんは、「価値のある家の所有者は、それに見合った税金を払うべき」と話した。