12年施行、情報公開法の使い道 騒音の苦情多いバーや「悪徳家主」も特定

 政治の透明性を高め、市民への説明責任を果たすことを目的に、ニューヨーク市は2012年3月から情報公開法を施行している。これは、全ての市の機関に特定の情報を公開することを義務付けるもので、市は施行以来、情報の開示を積極的に行っている。ウォール・ストリート・ジャーナルは1日、市や市民がどんな分野に情報を利用しているか報じた。
 情報公開を統括しているのは、ニューヨーク市長室データ分析局 (MODA) 。MODAはこれまで、新生児に最も多く付けられた名前や路上で放置された車の場所の他、2000件以上の情報を公開してきた。
 昨年秋には市への理解を深めるため、市外の団体が集めた情報の公開を開始。今後も市内の大学など、非政府機関による情報を公開する予定だ。
 市は、情報公開法にのっとって開示された情報を基に、毎年6月に開催するプライドマーチの日にタクシーが最も停車した場所や、パレードの後に参加者が多く集まった飲食店の地図を作成。また、情報分析を専門とする市民団体ベータNYCは、311への苦情や要請をまとめたウェブサイトを作成した。騒音の苦情が多いバーや、入居者からの苦情が多い「悪徳家主」を特定するのに役立っているという。
市の主要機関では現在、90人の情報公開コーディネーターが勤務。MODAと共に、公開や更新する情報を決定している。公開された情報は主に学生や各分野の活動家、科学者やエンジニアが利用するという。