MoMA館長叙勲「米国で日本芸術発信」 在ニューヨーク日本国総領事館

 在ニューヨーク日本国総領事館は4日、マンハッタン区の大使公邸で、令和元年春の叙勲で旭日中綬章を受章したニューヨーク近代美術館(MoMA)の館長、グレン・デーヴィッド・ローリーさんの叙勲伝達式を開催した。ローリーさんの家族やMoMAの関係者約60人が参加した。
 ローリーさんは1995年にMoMAの館長に着任して以来、同館で池田満寿夫や草間彌生、オノ・ヨーコ、村上隆などの日本人アーティストの展示や日本人監督の映画の上映を積極的に実施。また、MoMAギフトショップを東京と大阪で展開した他、日本国内の美術館に企画や運営の助言をするなど日米の友好促進に深く寄与した。
 伝達式で山野内勘二大使は、ローリーさんを「近代美術において世界で最も影響力のある人」とたたえ、ローリーさんが主導した日米キュレーターの交換プログラムなどを紹介。米国から長きにわたり日本の芸術を世界に発信したことに感謝の意を表した。
 ロックフェラー・キャピタル・マネジメントの取締役、デービッド・ロックフェラー・ジュニアさんは「ローリーさんのリーダーシップのおかげでMoMAは世界的な美術館となった。仕事仲間、そして、昔から近くで彼を見てきた友人として受賞を心から誇りに思う」と祝福した。
 ローリーさんはあいさつで、「叙勲は大変光栄。2004年の改装で設計を担当してくれた建築家の谷口吉生さんをはじめ、MoMAは多くの日系企業や日本人から協力を得てきた。これからも日本や世界の芸術作品を取り入れ、知識と文化をみなさんとシェアできるように努力する」と述べた。

左から、ローリーさんの娘、アレクシスさん、 母親のロールさん、スーザン夫人、ローリーさん、山野内大使(photo : Yurika Fukagawa / 本紙)