DR.高田洋平 FUNCPHYSIOの気になる体のはなし Vol.30 運動不足が子どもに与える影響

 新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中で混乱状態が続いています。さらなる感染拡大を防ぐため、ニューヨーク市は全ての学校を4月20日まで閉鎖しました。
 閉鎖が長引き、自宅で1日中、ゲームやスマートフォンを使用する子どもも多いのではないでしょうか。そこで今回は、小学生が通常、日常生活でどのくらい運動をしているかについて、また、幼少期の運動量が子どもの将来の健康をいかに左右するかについてお話しします。

1日あたりの子どもの運動量
 じつは、成人内勤者の1日あたりの平均歩数と比べて、子どもの運動量はとても多いのです。日本の小学生の男の子の歩行数の1日平均は約1万2000歩、女の子は約1万歩といわれています。スポーツクラブなどに所属し、普段から運動する習慣の多い子どもの場合は、もちろんそれ以上の歩数と運動量になります。
 しかし、ゲームやスマートフォンが発達した現代は、家にこもり運動をしない子どもが増え「子どもの体力低下」が指摘されています。

子どもの成長に欠かせない「運動習慣」
 幼少期に運動量が少ないと、思春期以降に肥満となる可能性が高くなります。肥満になると、若年性糖尿病や高血圧、生活習慣病の発症リスクが高くなります。しかし、1日約8000歩以上歩いている子どもは姿勢の崩れが少ないとの研究結果もあるほど、この時期の運動は非常に大切なのです。

 SNSが生活に密着したいま、さまざまな社会団体やスポーツ選手がユーチューブなどの動画サイトに、自宅で手軽にできるエクササイズを英語や日本語で投稿しています。流行りの音楽に乗って踊る子ども向けのエクササイズや空中縄跳び、階段の上り下りなど、動画を見ながら誰でも簡単にできるものも数多く見受けられます。親子で一緒に体を動かせば、ストレス解消や親子間のコミュニケーションにもつながります。この機会に、ぜひお試しください。

押本理映 (FuncPhysio日本支部代表)
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PT(日本の理学療法士)免許を2011年取得後、大学病院で臨床経験に励む。ダンスを中心とした芸術スポーツ分野のリハビリを学ぶために15年来米。NYUハークネス・ダンス・センター、高田洋平氏の下で徒手療法を学ぶ。専門分野はダンサーのスポーツ障害。10代でロシアにバレエ留学した経験を持つ。r.oshimoto@funcphysio.com