市内のスピード違反、2倍に 交通量減り大気汚染改善も

 ニューヨーク市での外出制限の影響で、交通事情が変化している。 ニューヨークタイムズが9日、報じた。
 ニューヨーク・ニュージャージー港湾局(PA)によると橋やトンネルを通る車両数は3月の平日、昨年同時期と比べ58%減の平均12万1000台だった。また、調査会社INRIXの報告によると、ブルックリン=クイーンズ・エクスプレスウェー(BQE)の夕方5時の平均走行スピードは時速13マイル(約20キロメートル)から288%上昇し、52マイル(約83キロメートル)だった。PAによると、市内を走行するバスは通常の平均時速8.1マイル(約13キロメートル)から8.7マイル(約14キロメートル)に微増。さらに、市内のスピードカメラが捉えた3月27日のスピード違反は2万4765件。1カ月前の1万2672件からほぼ倍増となっている。
 一方、市内に設置された環境測定機器によると、大気中の粉塵はブルックリン区で20%減少。クイーンズ区では二酸化炭素の量が30%減少したという。交通量が減ったことで大気汚染の改善がみられる。
 一部の専門家は、外出制限が解除した後も、しばらくはテレワークに移行する企業が増える可能性を指摘。市内の交通量が今後も減少すると推測している。

マンハッタン区42丁目レキシントン街で 3月27日、撮影(Photo: Yuka Takeuchi / 本紙)