飲食店閉鎖の影響でNYのネズミも困窮 食糧や縄張り争い激化か

 ニューヨーク市内の新型コロナウイルスの感染拡大に伴い飲食店や商業施設が閉鎖された影響で、ネズミが餌不足に陥り他地域に移動、縄張り争いが激化することが懸念されている。ゴッサミストが14日、報じた。
 ネズミの餌となる人間の食品廃棄物が枯渇しているのは、3月中旬から休業している飲食店の多いマンハッタン区ミッドタウンの飲食店街、チャイナタウンやローワーイーストサイド。市のニュースサイト、ザ・シティーによると、同地域ではこのところ、廃棄物の量が約5%減少した。また、市内のコロナ禍から郊外のセカンドハウスに疎開した住民が多いアッパーイーストサイドでも同様の傾向だという。
 ネズミの生態を研究する専門家、ボビー・コリガンさんによると「今後、ネズミ同士が共食いをする可能性がある。若いネズミや弱いネズミが犠牲になる」と指摘。「その次に大規模な移動が始まり激しい縄張り争いが起こる。映画の『ベン・ハー(1959年)』に出てくるような熾烈な戦いを展開するだろう」と話している。
 現在、これまでネズミが少なかった地域でも目撃情報が多発。コリガンさんによると、移動はすでに始まっているという。ネズミの研究家、ロバート・サリバンさんは、市内でも低所得者層が多い住居街にネズミが移動すると予想。「ネズミの糞尿などの被害で住民の健康に悪影響を及ぼすこともある」と懸念している。

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