家族への感染恐れ家に帰らない医療関係者 OEMや労働組合が宿泊施設を提供

 ニューヨーク市緊急管理室(OEM)や労働組合はこのほど、家族への感染を懸念して自宅に帰らない医療関係者を対象に、支援プログラムを開始した。多くのホテルが低価格、または無料で医師や看護師、救急隊員などに部屋を提供している。ウォール・ストリート・ジャーナルが14日、報じた。
 「最近、通報数は圧倒的に多い」と話すのは、市消防局(FDNY)の救急救命士、エリカ・スミスさん(39)。ぜんそくを患っている子どもの感染を防ぐため、車内で寝泊まりしていていたという。市の救急救命士の中の多くは、寝袋や簡易ベッドを職場に持ち込んで寝泊まり込む人も多く、救命士の健康状態が懸念されている。
 そこで市の医療関係者の労働組合は、エアビー・アンド・ビーと提携して医療関係者に無料または低価格で部屋を提供するサービスを開始。5月31日までには2000室が利用できるという。
 またOEMは3月末、企業を支援する宿泊サイト、「クルー・ファシリティーズ・ドット・コム」と2億5000万ドル(約269億円)の契約を結び、医療関係者やホームレスを対象にホテルの部屋の貸し出すサービスを開始した。マンハッタン区57丁目の高級ホテル「フォーシーズンズ」は360室のうちの225室を提供。市内のホテルが、続々と受け入れを始めている。

ブルックリン区クラウンハイツで3月31日撮影(Yurika Fukagawa / 本紙)