ニューヨーク市内ではこのほど、市内で新型コロナウイルスの感染予防策として発令した外出制限に対する抗議活動が相次いで行われた。しかし、それらの抗議参加者に対し、社会的距離に違反しているとして行われる市警察(NYPD)の取り締まりが「行き過ぎ」「憲法に反している」との声が活動家から上がっている。amニューヨークが10日、報じた。
マンハッタン区の市庁舎公園では9日午後、ニューヨーク州のクオモ知事が発令した外出制限や集会を禁じる「ニューヨークPAUSEプログラム」に抗議する集会が行われた。NYPDはこのデモで9人を逮捕。集会の主催者は、逮捕された参加者は6フィートの社会的距離を保って、マスクを着用していたにもかかわらず、警察が大挙して取り締まりをしていたと非難。他にも、今月から、市内の各所で相次いだ抗議集会のほとんどは、強制的に解散させられ、召喚状が発行されたという。
市内の公民権専門の弁護士、ノーマン・シーゲルさんは、抗議を強制解散させて召喚状を発行するNYPDの方針について、「米国憲法修正第1条は、言論や表現の自由を保護。また、公共の場で平和的に抗議する個人の権利を保障している」と主張し、NYPDは市民の憲法上の権利を侵害していると訴えている。
さらに、市内で社会的距離に違反したとして召喚状が発行された68%がアフリカ系で、25%がラテン系、7%が白人だったことを受け、公民権支持者や活動家は「人種差別的に取り締まりがされている」と批判している。