バラク・オバマ大統領が9日に同性婚を支持すると明言して以来、ニューヨークの政府関係者らからさまざまな反応が寄せられ、意見は二極化の様相を示している。現役の米大統領で同性婚を支持表明したのは、オバマ氏が初めて。
ニューヨーク市のマイケル・ブルームバーグ市長をはじめ、アンドリュー・クオモ州知事、州選出民主党上院議員キルスティン・ジルブランド氏らは、オバマ氏を褒め称えた。ブルームバーグ氏は、現職の大統領の同性婚支持を、「米国市民権の歴史に残る重要なターニングポイントである」とし、全ての米国民に与えられる平等な結婚の権利を高く評価した。
クオモ氏も、ソーシャルネットワークサイト(SNS)の単文投稿サイト、ツイッターを通して「米国の平等権が前進した」とオバマ氏を賞賛。また、ニューヨーク市で初めて同性愛者を公言した市議会議長のクリスティン・クイン氏は今月、長年のパートナーである弁護士キム・カトゥーロ氏との挙式を控え、オバマ氏の同性愛者への配慮に感謝の念を表明した。
だが、州カトリック教会大司教のティモシー・ドラン氏は、同性婚を「非常に悲しいことである」とし、オバマ氏に意見撤回を求めた。同氏は、結婚は男女によるものであるべきことを訴え、子どもたちの将来に与える影響を憂いた。また、州選出民主党上院議員ルーベン・ディアズ氏も大統領の表明に失望の意を示している。
14日に次期大統領選へ向けた複数のファンドレイジングイベントをニューヨーク市で行ったオバマ氏だが、イベントの先々であらためて同性婚の合法化を支持する意向を明言している。
バーナード大学での基調講演では主に女性と若年層の有権者の支持獲得を睨んだスピーチを展開したほか、テレビ番組「ザ・ビュー」でのインタビューでも、平等権を理由に同性婚合法化の必要性を説いた。
また、同性愛者を公言している人気歌手リッキー・マーティンさんがルーベンスタイン美術館と共催したイベントにはオバマ氏支持派の高額所得者が多数集い、同性婚に焦点を当てた同氏の講演に耳を傾けた。