NY市 娯楽産業が躍進 メディア制作費が過去最高に
ここ数年の不況をものともせず、近年ニューヨークのテレビ、映画、コンピューターなど娯楽産業の躍進が目立つ。
ロサンゼルス経済開発公社の調べによると、2011年にテレビ番組の制作や映画製作が市にもたらした収益は71億ドルとなり、過去最高額を記録した。年間収益1290億ドルのハリウッドには届かないが、ニューヨークはハリウッドに次ぐ、一大エンターテインメントタウンとなった。
調査会社ボストンコンサルティンググループの調査によると、ニューヨーク市のテレビ制作や映画製作に加え、広告、新聞、雑誌、ラジオなどのメディア産業全体で、年間約27万5000件の雇用を確保、800億ドルの儲けを出しており、その大半がここ数年で創出されたことが判明した。
これについてペイリーセンターフォーメディアのキュレーター、ロン・サイモン氏は、NBC局が制作するコメディードラマ「30ロック」や、CWテレビの「ゴシップガール」など、「ニューヨークを舞台とするテレビドラマや映画が大人気」と述べ、ニューヨーク市だけが持つ独特の魅力が人々を魅了して止まないのでは、と分析する。
また、コンピューター関係の娯楽企業の進出も目ざましく、年間2万5000件の雇用を生み出し、収益は80億ドルとなった。これは同市のマイケル・ブルームバーグ市長がIT産業開発に積極的に取り組んできた政策の成果と言える。同氏は、人気番組「サタデー・ナイト・ライブ」で、「ニューヨーク市が不況を乗り切れたのはIT産業やエンターテインメント産業のおかげ」と話している。