大学新卒者の就職難続く 景気回復の兆しに関わらず
経済状況は少しずつ回復傾向にあると言われているが、依然として雇用状況は厳しく、2012年度の大学新卒者の就職内定率も芳しくない状態だ。希望する職種に就くことが非常に難しいため、職種選択の幅を広げることで就職先を獲得しようとする学生も目立つ。
コロンビア大学経済学助教授ティル・ワヒター氏は、「経済は回復の兆しを見せているものの労働市場はまだ弱く、ことしの大学新卒者の就職率は昨年より若干上昇したが、目立った改善は見えていない」と分析する。ラトガー大学の調査でも、09年のリーマンショック以来、不完全就業の大学新卒者を含めた失業率は 50%以上に上ると報告されている。
ことしペース大学米国研究学部を卒業し、現在はマンハッタン区の飲食店でウェイトレスとして働くクレイグ・ヘルドさんは、「大学を出ればいい仕事に就けると信じていたが、実際に卒業したら仕事が無く恐ろしい」と10万ドルの学生ローンの返済を抱え将来の不安を吐露した。ヘルドさんの夢は雑誌記者になることだが、職種をもっと広げ仕事探しをするという。
また、マンハッタンカレッジをことし卒業する予定のレベッカ・ファルボーンさんは、専攻のコミュニケーション学科関連の仕事だけでなく、マーケティングやセールス、教育も視野に入れている、と語った。
今年度のニューヨーク市の大学新卒者雇用状況は昨年よりやや改善され、10.2%増となった。特にIT関連学科の雇用は同産業の成長に伴い、前年同比12.5%増となっている。