スタテン島の地ビール奮闘 コロナの逆風を追い風に

 スタテン島の地ビール、ザ・フラグシップ醸造所は新型コロナウイルスの逆風を追い風に変え、売り上げを伸ばそうと奮闘している。ニューヨークポストが1日、報じた。
 同醸造所はジェイ・サイケスさん(38)が友人らと2014年、ノースショア地区のウエストブライトンに創業。同島で有名なホルターマンズ・ベーカリーのクラムケーキを使った「チョコレート・スタウト」など、まさに地元に根付いたビールが売りだ。同島を本拠とするヤンキースのマイナーリーグチームが「ピザ・ラット」をチーム名に使うと、そのコラボレーション企画として「ピザ・ラット・ピルスナー」を販売、看板商品となっていた。
 「売り上げの70%がバー向けのドラフトだったが、コロナ禍で需要が途絶えた」とサイケスさん。所内のタップルームも閉鎖した。ところが、コロナ禍でニューヨーク州がビールの宅配を認めた。すかさず、缶入りビールの製造を開始。「外出しない消費者から注文が来て、新規客も増えた。地元ビジネスを助けようという思いやりにも後押しされた」。4人のフルタイムの従業員は解雇せずにすみ、新たにパートタイマーを4人雇い入れた。宅配は醸造後5時間程度で届く。ビールは最良の状態で提供できて、顧客にも満足してもらえるという。
 先週からは州の経済活動の再開に合わせ屋外にピクニックテーブルを出して、タップルームも開始。夏向けに「ベルジャン・マンゴ・IPA」を開発し、提供を開始したという。

ザ・フラグシップ醸造所のインスタグラム(@flagshipbrewery)より

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